【設定メモ】VivoTab Note 8のペンのズレを16点(以上)で高精度に調整する方法
8インチでワコムデジタイザ搭載のWindows8タブレットVivoTab Note8ですが、デフォルトの状態ではペンのカーソルに結構なズレがあります。調整しようにも調整点が端っこで、ポインタは端っこが果てしなくズレるので、何度やっても上手くいきません。せっかくの売りのペンがこの状態で、使えない、との評を見ましたが、実は中央部の複数点で調整すればけっこうイイ線までいきます。
というわけで、調整する方法を紹介します。
追記:ご注意
ワコム公式ドライバが多点調整に対応したので、このページに記載しているような手順は不要です。また、このページに記載している方法ではWinTab APIで動作する場合に調整が無効になりましたが、ワコム公式ドライバから調節した場合はWinTab APIでも有効です。
ワコム公式ドライバで多点調整するには、Wacom Feel Driver をインストールし、ワコムペンのメニュー内から調節してください。初期状態では従来の4点調整ですが、調整画面の設定から多点調整に入れます。
調整方法
といっても、Surface Pro でお絵かきしたい人用のカーソルの位置合わせの仕方 を参考に、調整位置をVivoTab Note 8用に最適化しただけなのですが。
tabcal.exeにコマンドラインパラメータを与えることで、調整点を変えることができます。私は以下のコマンドで実行できましたが、DevicePathは環境によって違うようなので、試すときは自身の端末のDevicePathを調べて書き換えてください。
tabcal Lincal DevicePath="\\?\HID#WCOM0004&Col02#4&1db94d48&0&0001#{4d1e55b2-f16f-11cf-88cb-001111000030}" DisplayID=\\.\DISPLAY1 XGridPts=100,420,860,1180 YGridPts=100,270,530,700
コマンドの最後のXGridPtsとYGridPtsが調整点の位置です。16点(以上)というのは、この調整点はいくらでも増やせるので、やろうと思えばもっとできるということです。1280×800の中でちょうどいい感じに点が現れるようにしてみました。
コマンドを実行すると、こんな感じに調整点が変わって調整画面が起動します。このポイントで調整したらカーソルが四隅の端まで行かなくなったので、上のコマンドはこの写真を撮ったときよりもうちょっと外側に広げています。
海外のフォーラム ではSurface Proの調整を100点で行っていますが、これはさすがにやりすぎだと思う。
追記:
画面端の座標(Xなら0と1279、Yなら0と799)を追加すれば端っこでもまったくズレなくなる、という情報をいただいたので試してみたら、まったくというほどではないにせよ、画面端での操作はかなり改善しました。調整点が36点に増えて少々煩雑なのが難ですが、1回調整すればその後ストレスなく使えることを考えれば、やっておくべきでしょう。
tabcal Lincal DevicePath="\\?\HID#WCOM0004&Col02#4&1db94d48&0&0001#{4d1e55b2-f16f-11cf-88cb-001111000030}" DisplayID=\\.\DISPLAY1 XGridPts=0,100,420,860,1180,1279 YGridPts=0,100,270,530,700,799
なお、上記コマンドは横画面用です。縦画面で調整する場合は、XGridPtsとYGridPtsの値を入れ替えてください。
DevicePathの調べ方
解説は上記参考元にあるので、手順だけ記載しておきます。なぜこの操作が必要かはリンク先を参照ください。
- コントロールパネル→「ユーザーアカウントとファミリーセーフティ」→「ユーザーアカウント」→「ユーザーアカウント制御の設定」の通知レベルを下から2番目に設定する
- コントロールパネル→「ハードウェアとサウンド」→「タブレットPC設定」の「リセット」ボタンを押したときにポップアップするUACダイアログで、「詳細の表示」を押すと出る「プログラムの場所」にカーソルを合わせてツールチップを出す
- Windowsボタン+ボリュームダウンボタンを押してスクリーンショットを撮る
- スクリーンショットを見ながらコマンドを作る
- そのコマンドでバッチファイルを作る(テキストファイルをtabcal以外の適当な名前のbatファイルとして保存する)
- バッチファイルを実行し、納得するまで調整する
2番目の手順について、参考元では「タブレットPC設定」の「設定」を押して確認していますが、一度でも調整していると、このタイミングではUACダイアログが出ないようです。リセットのほうは常に出るのでこちらを使っています。一連の手順が完了したら、ユーザーアカウント制御の設定は元に戻しておくことを推奨します。
なお、実際に実行された方によると、他の方のVivoTab Note 8でもDevicePathは同一のようなので、前述のコマンドをそのままコピペしてバッチファイルを作れば手順1~4は不要です。誤ったDevicePathを指定した場合、ペンでつつくとエラーとなるので、エラーとなった場合のみ手順1~4を実行すればいいと思います。
また、手順5について、「tabcal.bat」で保存するとバッチが無限ループしてコマンドが実行されないようです。バッチファイルはtabcal以外の名前で作成してください。
追記:
DevicePathを探しあてて指定する必要はなく、Devicekind=penを指定すれば汎用的に使えるようです。そのため上記の手順1~4は不要です。(2種類以上のペンデバイスが存在する環境ではDevicePathを指定する必要があると思われますが未確認です。)
↓横用
tabcal Lincal Devicekind=pen DisplayID=\\.\DISPLAY1 XGridPts=0,100,420,860,1180,1279 YGridPts=0,100,270,530,700,799
↓縦用
tabcal Lincal Devicekind=pen DisplayID=\\.\DISPLAY1 XGridPts=0,100,270,530,700,799 YGridPts=0,100,420,860,1180,1279
また、設定のリセットは手順2のリセットボタン以外に、下記のコマンドで行うこともできます。
tabcal devicekind=pen ClearCal
おわりに
四隅の大きなズレを完全になくすことはできませんが、体感はかなり改善します。ペンのズレに不満のある方は、とりあえず試してみてはいかがでしょうか。