【レビュー】Wacom Oneやraytrektabなどで使える互換ペン8種+α
Wacom Oneやraytrektab、Galaxy Noteシリーズなどは、その製品の専用ペン以外でもWacom feel IT Technologies規格の電磁誘導ペンなら普通に使えます。※現行のIntuosやCintiqのペンは使えません
以下、私の持っているペンで、今も単品で買えるものをご紹介します。
目次
前書き:世代間の互換性について
2014年にSurface Pro/Pro2やVivoTab Note8などで使える互換ワコムペン5種+αとしてまとめましたが、世代の新しいペンが出てきているので改めてまとめておくことにしました。
Wacom Oneなど、Wacom feel IT Technologiesの現行製品はペンの傾きに強くなっており、ペンを傾けてもカーソル位置がほとんどズレず、ペン先に追従します。しかし、Surface Pro/Pro2やVivoTab Note8の頃のペン(旧世代)を持ってきて使うと、ペンを傾けたときにカーソルが内側に潜り込んでしまう問題があります。
※逆に、現行世代のペンを旧世代のタブレットPCで使うと、ペンを傾けたときにカーソルが外側に逸れていきます。
このことから、快適に使うためにはタブレット本体と世代を合わせたペンを用意する必要があります。概ね2017年以降の機種はすべて現行世代と考えてよいかと思います。
Wacom One Pen
Wacom Oneに付属するペン。1サイドスイッチ。テールスイッチなし。
プロペンなどに似たデザインとなっており、板タブや液タブでプロペンに馴染んでいれば扱いやすく感じられるかもしれません。
サイドスイッチは1つしかないのに何故かシーソー型となっており、ペン先側を押し込むことができないのが少々面食らいます。
FUJITSU 六角形スタイラスペンTAB5
WQ2/C1、WQ2/X、WQ2/B1用のオプションペンです。サイドスイッチなし、テールスイッチあり。ストラップホールあり。
raytrektab(DG-D08IWP)標準ペンと似たような設計思想の、軸が六角形のペンです。単品購入すると高いのであまりお勧めはしません。芯素材はフェルト。
FUJITSU 六角形スタイラスペン FMV-NPN19
FMV-NPN19 は、富士通 arrows Tab QHシリーズのWQ2/D1、WQ2/E1に付属するペンです。この世代のペンとしては珍しく、サイドスイッチが2つあります。
タブレット本体に内蔵可能なペンのため、やや細く短いのが難ですが、サイドスイッチが2つのペンを使いたければ(現状では)他に選択肢はなさそうです。
Wacom Oneの設定メニューには2つ目のサイドスイッチの設定項目がないため、Wacom Oneで使う場合は設定ファイルを直接編集する必要があります。
Staedtler Noris Digital
鉛筆型ペンのはしり。当初はGalaxy NoteやGalaxy Bookのオプションとして、Sペンのカテゴリで発売されました。海外では「for Chromebook」と銘打ったカラーバリエーションも出ています(Chromebookは電磁誘導ペンを採用する機種が多い)。
海外での発売から3年の時を経て、Wacom Oneでも使えるペンとして日本でも販売を開始しました。
新品の鉛筆の先だけを削ったような形状をしているため、そのままではやや長くて持て余します。ペンのお尻側には機械類は入っていないようなので、よきところでぶった切ってしまうのがいいかもしれません。
鉛筆を忠実に模した結果、サイドスイッチやテールスイッチは無くなりました。
芯素材はエラストマー。海外版は替え芯が付属しませんでしたが、国内正規品は替え芯(エラストマー芯)5本が付属するそうです。
三菱鉛筆9800デジタイザペン
raytrektabシリーズの互換ペンとして、ドスパラと三菱鉛筆のコラボで発売されました。ドスパラ専売です。三菱鉛筆9800の外観を模しており、ペン軸には鉛筆と同じ木材が使用されています。
同じ鉛筆型のステッドラー・ノリスデジタルより短めで持ちやすくなっています。こちらもサイドスイッチ・テールスイッチなし。
芯素材はエラストマー。替え芯は別売りで付属しません。POM(ポリアセタール)製の替え芯も販売されていますが、ポリアセタール芯を使うなら、最初から替え芯が付属するHi-uni Digital for Wacomを買った方がお得です。
Hi-uni Digital for Wacom
Wacom Oneの互換ペンとして、ワコム、三菱鉛筆、セルシスの3社コラボで発売されました。実質的に三菱鉛筆9800デジタイザペンのバリエーション商品のようなものと考えてよいでしょう。こちらもサイドスイッチ・テールスイッチなし。
ワコムストアでは「Wacom One専用」と殊更に強調されていますが、raytrektabやGalaxy Noteなどでも普通に使えます。おそらくワコムストアで売っている他の製品、IntuosやCintiqでは使えないという意味で書かれていると思われます。
芯素材はポリアセタール(標準芯)。替え芯(標準芯)が3本付属します。
芯形状はStaedtler Noris Digitalや三菱鉛筆9800デジタイザペンと同じで、当該ペンのエラストマー芯も流用可能です。
raytrektab(DG-D08IWP)標準デジタイザペン
8インチ版raytrektab付属のペン。鉛筆の形に似せてあり、軸が六角形です。テールスイッチ(消しゴム機能)あり、サイドスイッチなし。
後に、本物の鉛筆さながらの三菱鉛筆9800デジタイザペンが出たことで、鉛筆っぽい握りであることのメリットはやや薄れたかもしれません。標準芯、エラストマー芯、フェルト芯と替え芯の種類が豊富で、好きな書き味を選べるのが特徴。
(追記)raytrektab DG-D08IWP の終売に伴い、ペンの単体販売も終了したため、現在は購入不可となりました。
raytrektab 10インチ用デジタイザペン
10インチ版raytrektab DG-D10IWP・DG-D10IWP2 付属のペン。シャープペンシル並みのペン先の細さと、ノック式でペン先が引っ込む構造が特徴。サイドスイッチはありません。
このような構造としたせいで芯の交換が不可能となり、ペン先が削れた場合はペン自体を交換する必要があります。
筆圧の感度がより繊細になったせいか、10インチ版raytrektabとWacom One以外の環境では通常の筆圧で描いても認識すらされず、まともに使えませんでした(非常識なほどに強い筆圧をかければ一応反応はします)。総じて10インチ版raytrektabのユーザー以外がわざわざ買い増すようなものではありません。
(追記)raytrektab DG-D10IWP・DG-D10IWP2 の終売に伴い、ペンの単体販売も終了したため、現在は購入不可となりました。
その他のペンについて
私が持っていないものについても紹介だけしておきます。
Galaxy Noteシリーズの付属ペンのように、各機種専用ペンは言い出すとキリがないくらいあります。各機種専用ペンはメーカー直販などで買えるものだけピックアップしました。
Lamy AL-star EMR Digital Pen
Lamyのアルスターボールペンの中身がEMRペンになったもの。1サイドスイッチ。
LamyはWacom Oneに対応する文具メーカーとして挙げられているのに、なぜか日本では発売される気配がありません。残念ですね。日本のアマゾンで並行輸入品も売っていますが、Lamyの本場、ドイツのアマゾンから個人輸入したほうが安いらしいです。
LAMY Safari Stylus Sペン
同じくLamyのEMRペンで、こちらはSafariがベースモデル。1サイドスイッチ。
これも日本では発売される気配がありません。アメリカのアマゾンなどで売っています。
BOOX Max3のペン(三角ワコムペン)
ディスプレイにE-inkを使用したAndroidタブレット、BOOX Max3の付属ペン。
BOOXシリーズの国内代理店SKTが運営する、SKTNETSHOPで単品購入可能です。以前はAmazonマーケットプレイスのBOOXストアで取り扱いがあったようですが、2020年8月現在は在庫切れとなっています。
BOOX Noteなどのペン
BOOX Max3のペン(三角ワコムペン)同様、SKTNETSHOPで購入可能です。
富士通 スタイラスペンTAB4
WQ2/C1、WQ2/B1、WQ2/X付属のペン。本体に格納可能とするためか断面が正方形となっており、あまり持ちやすそうではありません。画像で見る限りですが、サイドスイッチは1つのようです。
STAEDTLER Noris Digital jumbo
STAEDTLER Noris Digitalの長さを解消し、消しゴム機能もついたペンです。
日本では近日発売。海外では既に販売されており、Amazon.co.jpでは並行輸入品が販売されています。お急ぎの方はそちらを買ってみてもよいのでは。