【レビュー】Wacom Oneでも使えるサイドスイッチ2つのペンFMV-NPN19
先日の Wacom Oneでサイドスイッチ2つのペンを使う方法(上側スイッチの設定変更について) で使用した FUJITSU 六角形スタイラスペン(黒色) FMV-NPN19 (FJ16058662) に関して、どのようなペンであるか問い合わせがあったので、改めてしっかり書いておくことにしました。
FMV-NPN19とは
FMV-NPN19 は、富士通 arrows Tab QHシリーズのWQ2/D1、WQ2/E1に付属するペンです。当該機種は Wacom One と同じペン技術である Wacom Feel IT Technologies (電磁誘導方式) に対応しているので、Wacom Oneのほか、raytrektabシリーズやGalaxy Bookなどとペンを共通して使うことができます。
お値段は6,380円と、単体購入するとやや高めです。FMV-NPN19は NTT-X Store や楽天市場などでも購入可能となっているものの、いずれも在庫は持っていない「お取り寄せ」の扱いなので、最初から富士通の直販で買った方が早いです。価格もさほど変わりません。
余談ですが、arrows Tab QHシリーズは防水・防塵・耐衝撃性を持つほか、WQ2/E1 (2020年モデル) は液晶がダイレクトボンディング化しているなど、なかなか魅力的な機種になっています。
サイドスイッチは2つ、テールスイッチはなし
この世代の製品としては珍しく、サイドスイッチが2つあります。
サイドスイッチはほぼツライチで、あまり押しやすくはないです。何か貼ったりしてカスタマイズしたほうがいいかもしれません。
ペンのお尻にはテールスイッチがない代わりに、ストラップホールがあります。WQ2/D1、WQ2/E1にもストラップを付けられる箇所があり、タブ本体と物理的に紐づけて紛失を防止できるようになっているんですね。
サイドスイッチの設定方法について
サイドスイッチを有効に使うには、設定を変える必要があります。Wacom Oneで使う場合の設定方法は以前書いた通りです。
一方、raytrektabやGalaxy BookなどのタブレットPCはワコムペンドライバーが提供されていないため、Wacom Oneのような方法は使えません。ワコムペンドライバーが入っていない環境では、下側サイドスイッチを押しながら操作すると右クリック、上側サイドスイッチを押しながら操作するとテールスイッチと同じ動作となります。ペイントソフト上で右クリックやテールスイッチにお好みの動作を設定するとよさげです。
※ワコムペンドライバーが入っていない環境では、上側サイドスイッチはホバー状態(ペンを画面に近づけてカーソルが出ている状態)で押しても反応しません。いったんペンを画面から離し、上側サイドスイッチを押しながらホバー状態に入ってからペンで描くと、テールスイッチとして動作します。
RadialMenuというアプリを使うとサイドスイッチの動作を上書きできると小耳に挟んだことがあったので試してみましたが、私の環境ではアプリがすぐ動作停止してしまって確認できませんでした。
ペン軸は細く短い
FMV-NPN19 は arrows Tab 本体に内蔵可能な代わりに、細く短くなっています。
三菱鉛筆9800デジタイザペンとの比較です。三菱鉛筆9800デジタイザペンより短いですね。FMV-NPN19は実測で11.4cmでした。写真だと分かりづらいですが、ペン軸もFMV-NPN19のほうがやや細いです。
11.4cmはただ持って描くだけならギリギリ問題ない長さです。しかしサイドスイッチが微妙に上のほうにあるせいで、サイドスイッチを押しやすいように持つと長さが足りないと感じます。
キャップをお尻に付けてちょうどいいくらいです。キャップは付属しないのでこの写真では三菱鉛筆のものを使っています。
なお、この写真ではWacom One Penの芯を差していますが、出荷時はフェルト芯が差してありました(替え芯は付属しません)。
芯について
出荷状態で差してある芯はフェルト芯です。この芯はWacom One Penの芯よりやや太めに見えましたが、Wacom One Penと相互に入れ替えて利用可能でした。
※上はFMV-NPN19に最初からセットされていた芯(フェルト)、下は比較用のWacom One Penの芯(ポリアセタール)です。
Wacom Oneは貼ってあるフィルムが傷つくためフェルト芯の使用は推奨されません。交換可能な芯があってよかったです。Wacom One Penの替え芯はWacom One本体に3本内蔵されているほか、ワコムストアで購入可能です。
なお、プロペン2の芯よりはやや細いです(これもWacom One Penの芯と同様)。ためしにFMV-NPN19の芯をプロペン2に差してみるとユルユルでした。
防滴(IPX2)
FMV-NPN19が付属するarrows Tab QHシリーズは防水(IPX5/7/8)であるため、ペンも防滴(IPX2)とされています。
まあ、この機能は本体が防水でなければあまり役に立つことはないかと思います。防滴だから買うという人もいないでしょう。
ところで防滴とフェルト芯は相性が悪そうな感じがするのですが、大丈夫なんでしょうか。芯が水吸ったりしないんですかね。
おわりに
FMV-NPN19はarrows Tab本体に内蔵可能な代わりに、細く短いのが泣き所です。内蔵ペンとしては必要十分な感じですが、それをペンだけ単体購入するとなると、デメリットばかりが目立つ結果となってしまいます。しかし他にサイドスイッチ2つのペンの選択肢がない以上は仕方ないですね。お尻側にキャップ等を付けて延長すると多少は持ちやすくなります。