【実測】10インチ版raytrektabのペンのスキャンレートは360Hz
raytrektab DG-D10IWP(10インチモデル)のワコムペンは筆圧4,096段階に加えて、低遅延&トラッキングパフォーマンスの向上をアピールしていました。しかしスペックシートには遅延やトラッキングに関する具体的な数値は記載されていません。
実際に触ってみてペンの感触は良好ですが、トラッキングパフォーマンスについて客観的に評価するため、スキャンレートを測定してみます。
ペンのスキャンレートとは、アナログなペンの動きのストロークをデジタル変換する際に、秒間に読み取る回数です。pps(ポイント/秒)またはHz(サイクル毎秒)で表現されます。当然ながら数値が高いほど滑らかに描けると期待されます。
測定結果
スキャンレート表示プログラム(TabPCScanRate)の上で適当にペンを走らせると、ストロークにスキャンポイントが刻まれ、スキャンレートが計測されます。※ストロークが途切れているように見える部分は実際にペンが浮いていた箇所です。タブレット側がストロークを拾えなかったのではありません。
測定結果は平均2777μ秒でした。
スキャンレートの計算方法
測定結果の数字はスキャン毎の間隔を表すため、小さいほどストロークのスキャン性能が高いことを示します。なお8インチ版raytrektab(スキャンレート180Hz)の測定結果は平均5580μ秒です。
μ秒=0.000001秒であり、平均2777μ秒ならば0.002777秒毎に1回スキャンしています。1秒間でのスキャン回数は 1 / 0.002777 ≒ 360.1。微妙に溢れているのは計算誤差と考えて、1秒間に360回スキャンしている(360Hz)と推測できます。
評価
数値上では単純に8インチ版raytrektab(180Hz)の2倍であり、その他の機種でもdynabook RZ82やGalaxy Book 12.0などの240Hzが最大だったことから、360HzはWindowsタブレットとしては最高値と言えます。Apple Pencil(240Hz)も抜き去り、Galaxy Note 8のSペン(360Hz)とも並ぶ値です。
まさしく高スキャンレートと言って相違ないですね。これをなぜスペックシートで公表していないのか疑問です。また、10インチ版raytrektabのペンは(8インチ版と同様に)傾き検知にも対応していますが、これもなぜか公表されていません。もっとアピールしていいのよ。
ちなみに、スキャン性能はタブレット本体側に依存するため、10インチ版raytrektabで8インチ版の旧型ペンなどを使用した場合でも同様の計測結果(360Hz)となります。
raytrektab DG-D10IWP(10インチモデル)の全体的な使い勝手についてはこちらをご覧ください。→【レビュー】raytrektab DG-D10IWPで絵を描く
追記
raytrektab(10インチ)の性能アップ版、DG-D10IWP2が発売されました。DG-D10IWP2のスペックシートには「Wacom feel IT technologies デジタイザ4096階調 スキャンレート360Hz」と記載されています。