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【レビュー】dynabook RZ82を買ったのでペン性能をチェック


お絵描きWindowsタブレット(ペン採用機種)まとめを作ったとき、個人的に一番欲しいと思っていたdynabook RZ82/T PRZ82TB-NNA(Core m7-6Y75/メモリ8GB/SSD256GB/Officeなし)が東芝ダイレクトの会員向けタイムセールで安かったので、つい買ってしまいました。

東芝ダイレクトではこのような会員限定セールが定期的に行われているのか、あるいはたまたまなのかは分かりませんが、登録して定期的に覗いてみるのもいいかもですね。→東芝ダイレクト

というわけで、「ペンタブレットにもなる」と宣言するこのマシンがどれほどのものか見ていきたいと思います。

今回購入したモデル:dynabook RZ82/T PRZ82TB-NNA

  • OS:Windows 10 Home 64bit
  • CPU:第6世代(Skylake)Intel Core m7-6Y75
  • メモリ:8GB
  • ディスプレイ:フルHD(1,920×1,080、16:9)ノングレア
  • SSD:256GB
  • 重量:約730g(タブレット本体) / 約1.43kg(キーボードドック接続時)
  • ペン:ワコムEMR(筆圧2,048段階)
  • キーボード:着脱可
  • Office:なし

RZ82/Tはdynabook RX82の直販モデルです。ワコム製の電磁誘導ペン(Wacom Feel IT technology)を搭載します。

なおカタログスペックではタブレット本体は730gとなっていますが、実測ではリザーブペン(本体に挿入可能な細いペン)込みで699gでした。

Wacom Wintab ドライバ(ワコムペン)は最初から入っている

ドライバはインストール不要です。最初からWinTab APIで筆圧が効きます。

スタイラスペンはフェルト芯

付属のスタイラスペンには、フェルト芯がセットされています。

替え芯3本もすべてフェルトです。この時点から既にこだわりが見えます。

しかしフェルト芯は標準貼付のノングレア液晶シートとは相性が悪い気がします。摩擦がありすぎてキュキュッとなります。標準芯も入れておいて欲しかったところ。個人的にはグレア+フェルト芯か、ノングレア+標準芯がちょうどいいと思います。

なお当該ペンの芯はCintiqのものより少し細く短く、そのままでは流用はできません。

ノングレア液晶

画面にはシートが貼ってあり、ノングレアとなっています。16:9で縦が狭いのが惜しい。

傾きに強いペンの秘密とは!

公式サイトに書いてあったとおり、なんと! 傾けても全然ポインタがズレません。しかし傾き検知に対応しているわけではないようです。

ためしにRZ82のスタイラスペンをVivoTab Note 8で使ってみると、傾けたときにカーソルがペンの先から遠くへ大きくズレていきます。ペンと本体の両方の検知位置を従来機からズラすことで、ペンが傾いてもズレにくいペンとしているようです。これはすごい。従来機のペンだとカーソルが内側にめり込んでいくようにズレて大変不快でしたが、そうした不満がありません。

ただしこれは付属のスタイラスペンのみで、本体収納のリザープペンはそのようになっていません。普通にカーソルが内側にめり込んでいきます。これは詰めが甘くて残念。あくまでリザーブ(控え)用ってことですかね。

また、別のペン(WacomグリップペンUP-911E-02DDなど)を使うと他の機種よりも内側にめり込みます。付属ペンはサイドスイッチが1つなので他のペンが使えるとよかったのですが、古いペンでは傾きへの対応ができないようです。

なおGalaxy Note Edgeのペンで試してみたら付属スタイラスペン同様に傾けてもズレなかったので、Bamboo Smart for Samsung Galaxy Noteを使うといい感じかもしれません(ただしBamboo Smart for Samsung Galaxy Noteもサイドスイッチは1つです)。いい機会なのでこちらも買って後日試してみます。

追記

Bamboo Smart for Samsung Galaxy Note CS310UKは付属のスタイラスペン同様に使えました。ただしRZ82のペンより筆圧が柔らかすぎるため、触れてないのにクリックとなってしまう現象がしばしば発生します。これは筆圧の設定を硬めに変えてあげると改善します。

替え芯はソフトタイプ(エラストマー)とハードタイプ(ポリアセタール)が1本ずつ付属します。ペンには初期状態でソフトタイプ芯がセットされていることから、ソフトタイプ2本、ハードタイプ1本が付属することになります。芯は独自の形状で、RZ82のスタイラスペンなどに使い回すことはできません。

スキャンレートは240pps

公式サイトに書いてあったとおり、他のタブレットPCやIntuosなどよりもペンのストロークのデータポイントが多く、測定の結果は秒間240回(240pps)でした。これが追従性の向上に寄与していると思われます。

他との比較など、詳しくはdynabook RZ82のペンのスキャンレートは他より優れているのか、他のタブPCや液タブと比較した結果に記載しました。

視差はほぼない

ペンとカーソルの距離はほとんどなく、まるでカーソルがペン先に吸い付くようです。Cintiqのように離れて見えるのに慣れていると逆に気持ち悪い感すらありますね。

画面端でもほとんどズレない

電磁誘導ペンは画面端でのカーソルズレが弱点の一つですが、RZ82は恐ろしいことに画面端でもほとんどズレません。

方眼画像を下敷きに、格子状の線を引いてズレを確認してみました。SAI Ver1.2.0で、手ブレ補正0、鉛筆の筆圧によるサイズ変更を無効に設定し、ブラシサイズ4で竹物差しを当てて実施しました。アナログな作業なので物差し自体のズレやペンの角度などが一定でないところもあるかと思うので、参考程度にどうぞ。

格子チェック1回目

デフォルトの状態で実施した結果です。他機種に比べると相当キレイではあるものの、四隅で外に逸れていくのが確認できます。特に上側のズレが大きく、上端ではズレるだけでなく触れていないのにクリックとなるなど誤動作が見られました。

※1回目のときはフルスクリーンがトグル操作でメニューバーも消せるのを忘れていたので、少し範囲が狭くなっています。

格子チェック2回目(多点調整後、四方の追加テスト)

ワコムペンのアプリから多点調整を実行した後に、四隅について追加で実施しました。多少の改善が見られますが傾向は変わりません。

ホバー距離は短い

ホバー距離は短く、約1cmといったところでしょうか。完璧に近いRZ82のペンの唯一と言っていい泣き所ですね。

ホバー距離が短いと「浮かせた状態でクリック」のオプションが活かしづらいほか、ペン入力時にタッチをキャンセルするパームリジェクション機能はペンが認識されているときのみ動作するので、タッチ誤爆が増えます。タッチはオフにするほうが無難ですかね。

タッチ無効化の方法は 【設定メモ】Windowsタブレットのタッチパネルを無効化してペン操作時の誤操作を防ぐ方法3つ に記載しました。

おわりに

まだ全然使い込んでいないので、結論を出すには早いですが、総合的に見てCintiq Companionよりペン性能は上なのでは?とすら感じますね。想像以上にやべーやつが来たなって予感がしています。これから使い倒すのが楽しみです。

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