デタッチャブル型のタブレットPCが絶滅の危機に瀕しているが、もう絶滅してもいいのかもしれない - 肉うどん

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デタッチャブル型のタブレットPCが絶滅の危機に瀕しているが、もう絶滅してもいいのかもしれない


2020年版のタブレットPCのまとめを書いた際の実感として、2020年の市場においては、デタッチャブル型(セパレート型)のタブレットPCが明らかに少なくなってきています。その理由について考察しました。

そもそもデタッチャブル型とは何ぞや

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デタッチャブル型とは、「着脱可能」の意味どおり、ノートパソコンの画面部分を取り外し、ピュアタブレットとして運用できるものです。最近はセパレート型と呼ばれることもあります。

ピュアタブレットは、キーボードがないパソコンのことを指します。iPadみたいなやつですね。

最近増えているコンバーチブル型とは

Lenovo ノートパソコン IdeaPad C340(15インチFHD Core i5 8GBメモリ 256GB )

コンバーチブル型は、液晶部が回転ないしスライドしてタブレットに変形可能なノートパソコンです。

360°回転可能なヒンジを使ったものは、最初に採用された機種名(Thinkpad Yoga)からYogaタイプと呼ばれることもあります。最近はコンバーチブルといえばYogaタイプといってもいいレベルにまで普及しました。

Yogaタイプはヒンジの曲げ方によって、「ノートパソコンモード」、「スタンドモード」、「テントモード」、「タブレットモード」といった4形態に変形します。各モードの名称はメーカーによって異なることがありますが、指している内容は同じです。

従来のコンバーチブル型は、キーボードを切り離すことができないことが重さの点で不利でした。しかし最近はコンバーチブル型にも非常に軽い機種が登場しており、デタッチャブルのメリットが揺らぎつつあります。

具体的には富士通 FMV LIFEBOOK UH95/D2(13.3インチ・868g)や、HP Elite Dragonfly(13.3インチ・999g)などです。

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デタッチャブル型の弱点は厚みと重量バランス

デタッチャブル型の弱点として、タブレット単体使用時の使い勝手も考えると画面側にもUSB端子などのインターフェースを用意しないとならないため、端子のサイズ以上に画面側を薄くできない点があります。

また、合体状態でノートパソコンのように使うためには、キーボード側もそれなりに重さを持たせなければ重量バランスが取れずに倒れてしまう問題もあります。

コンバーチブル型は、重さ以外はほぼメリットしかない

Yogaタイプの2-in-1 PCは(強度さえ確保できていれば)画面側はいくらでも薄くできますし、PCパーツはキーボード側に入るため画面側は重くならず、重量のバランスを考慮する必要もありません。

仮に「デタッチャブルのPCからキーボードを取り外した状態」(≒ピュアタブレット)と同じ質量でコンバーチブル型のPCを実現できるなら、コンバーチブル型のほうがいいに決まっています。なぜなら、PC本体に常にキーボードがついているほうが便利だからです。考えるまでもないですね。

変形できない普通のノートパソコン(クラムシェル型)と同じ使い方もできるため、コンバーチブル型は普通のノートパソコンに対する上位互換と言えます。

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Yogaタイプの2-in-1 PCは、キーボード側をキックスタンドとして使う「テントモード」などの形態をとることもできます。Surfaceのようにタブレット状態でも自立できるため、Surfaceのキックスタンドの上位互換とも言えます。

画面とキーボードを離したいという需要があったとしても、タブレットはテントモードで立てておいて別途Bluetoothキーボードでも用意すれば済んでしまいます。

すべては「デタッチャブルのPCにキーボードを付けていない状態と質量が同じであれば」の前提ですが、上で挙げた2機種のうち富士通のUH95/D2は、Surface Pro 7 (i5モデル) の775gと比べても93gしか差がありません。

唯一問題があるとすれば、タブレットモードにしたときにキーボードが裏に回ることで、手で持つとキーがガチャガチャするのが嫌、という意見もあります。ThinkPadの一部機種にはタブレットモード時にキーが沈み込んで固定される「Lift'n' Lock (リフトンロック) キーボード」を持つものもありますが、採用機種は多くありません。

低価格の機種にデタッチャブルが残っている?

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開発のコスト的には、別個にキーボードドックを作るのは面倒では……とも思うのですが、意外と Lenovo IdeaPad D330 のような低価格帯の製品のほうがデタッチャブル型は多く見られます。軽いコンバーチブル型を作るよりも、分離・合体型で作ったほうがコストが掛からないんでしょうか。

技術の進歩によって軽いコンバーチブル型を作るコストの問題が解決すれば、デタッチャブル型のデメリットばかりが浮き彫りとなります。そうなればデタッチャブル型が消えていくのは自明です。

現在進行形でそうなっているからこそ、今のデタッチャブル型PCの減少傾向があると言えます。デタッチャブルというもの自体が、PC本体を軽く作れなかった時代の徒花なのかもしれません。

しかし、かつてあった色んな形のPCがなくなり同じ形ばかりに集約していくのは、まるでガラケーからスマホへの変遷を見ているかのようで、ガジェオタとしては少々つまらなくも感じます。

余談:iPadについて

Apple Magic Keyboard (12.9インチiPad Pro - 第3世代と第4世代) - 英語(UK)

こう考えていくと、iPadは完全に進化の方向を間違えた感じがしてきます。iPadはキーボードが必要ないユーザーも多いから、無印はそのままピュアタブレットにするとしても、iPad ProはYogaタイプの2-in-1になったほうが喜ぶユーザーは多いのでは? と思うんですけど。Magic Keyboardみたいなのを取り付けるよりかはね。

まあAppleの場合、そんなことを言っていると新製品で平然とキーボードを直に生やしてきたりしそうですが……。

追記

念のため補足しておきますが、これは将来的に2-in-1 PCはYogaタイプに収束されるだろうという予測であり、今のデタッチャブル型にメリットがないとか、今後一切デタッチャブル型は出ないだろうといった言説ではありません。

なぜそのような予測になるのかは「デタッチャブル型の弱点」として記載したとおり、デタッチャブル型は薄さの限界点に辿り着いてしまったからです。

従来はデタッチャブル型もコンバーチブル型もそれなりに厚みがありましたが、技術の進歩によってかなり薄くなってきました。これ以上に薄く軽くと突き詰めていくなら、Yogaタイプのような360°回転ヒンジを備えた2つ折りの機種が主流とならざるを得ないのでは、と考えています。

※Surface Bookのようにタブレット側に拡張端子を一切付けないことでさらに薄くする、といった割り切った設計に移行する機種が増える可能性もありますが、そうなる確率は低いだろうと思います。タブレット単体で使用する際の利便性が低くなり、分離できるメリットが薄いからです。

それよりかは、YogaタイプのPCにさらにキーボードドックを装着して性能を拡張できるようにするとか、タブレットに変形したYogaタイプの裏にカバーをマグネットで貼り付けてキーがガチャガチャしないようにできる、といったキメラが生まれるほうがまだ確率は高いのではないかと。

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