かつてラングリッサーやグローランサーを開発していたキャリアソフトが今どうなっているのかについて - 肉うどん

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かつてラングリッサーやグローランサーを開発していたキャリアソフトが今どうなっているのかについて



本文


ふとグローランサーやデビルサバイバーを作っていた高田慎二郎氏はいま何してるんだろうと思い、検索して出てきたページにキャリアソフトは、2004年にアポロへと会社が新生しつつ、アトラスの子会社化されたようだが現状は不明とありました。キャリアソフトはアトラスに吸収合併されたはずでは? プレスリリースで見たような? と思ったものの、手元にエビデンスがなかったので調べてみました。

結論から言えばキャリアソフトは段階を経てアトラスに吸収合併されており、もう存在しません。キャリアソフトのスタッフは現在はアトラスに転籍しています。

※高田慎二郎氏は、キャリアソフトにてラングリッサー(1~5)やグローランサーシリーズを手掛けてきたディレクター・プロデューサーで、アトラス入社後はデビルサバイバーシリーズや幻影異聞録♯FEなどに携わられています。

検索して出てきたページについて

調べるきっかけとなったのは、ラングリッサー リインカーネーション-転生- 攻略Wikiの、ラング転生がいかにして残念になったかの経緯を記載したページでした。ラングリッサー1~5当時のスタッフがなぜラング転生に参加していないのかについて記載している中の一文です。

どうにも当時のシリーズの中核を担っていた開発者達が参加しているという印象が薄い。それもそのはず、まだNCSがゲーム事業を行っていた頃から、主要開発スタッフの一部は「キャリアソフト」という会社を設立し、NCSから独立してしまっている。

(中略)

そして現在の高田氏はというと、正式にアトラスに入社され、インタビューでもキャリアソフトとしての肩書きを見かけることは無くなった。(キャリアソフトは、2004年にアポロへと会社が新生しつつ、アトラスの子会社化されたようだが現状は不明)

ラング転生・残念話 - ラングリッサー リインカーネーション-転生- 攻略wiki

キャリアソフトとは

キャリアソフト株式会社は、かつて存在した日本の会社です。ラングリッサーやグローランサーなどのコンシューマゲームを開発していました。他にも何かやっていたのかもしれませんが今となっては不明です。

キャリアソフトはウィキペディアを見ても、ラングリッサーやグローランサーの開発元として名前が挙がるのみで、会社としては一切情報がない謎の会社です。アンサイクロペディアのグローランサーのページには「開発したキャリアソフトは真面目な百科事典の方にすら記事が無いので実質アトラスのゲームである」などと書かれる始末。

キャリアソフトはいつ消えたのか

グローランサー5をプレイした際、ゲーム起動時にキャリアソフトのロゴが出なかったことが印象的でした。というところから公式サイトのコピーライト表記を見ると、グローランサー4はキャリアソフトの記載があるのに対し、グローランサー5はアトラスのみの記載となっています。※グローランサーの公式サイトはアトラスのサイトリニューアル時に削除されたため、Internet Archiveを参照しています。

グローランサー4の発売日は2003年12月18日、グローランサー5の発売日は2006年8月3日であり、この間にキャリアソフトは(法律上はともかく)事実上消滅したと考えられます。

アトラスの過去のプレスリリースを探る

アトラスの過去のプレスリリース等は削除されているため、Internet Archiveを参照します。すると2001年のプレスリリース一覧に、「平成13年10月29日 キャリアソフト株式会社の全株式の取得および取締役就任に関するお知らせ [PDF]」の記載を見つけました(リンク先のPDFはArchive取得されていませんでした)。

PDFの内容は確認できなかったものの、タイトルから見て2001年の時点でキャリアソフトはアトラスの100%子会社となっているはずです。というところから調べてみると、上記のプレスリリースと同日に出された電撃オンラインの記事が残っていました。

アトラスは本日29日、キャリアソフトの全株式を取得し子会社化したことを発表した。これに伴い、アトラス代表取締役社長の岩田松雄氏が、キャリアソフトの代表取締役に就任する。
 
キャリアソフトは、『ラングリッサー』シリーズで101万本の販売実績を誇り、現在は『グローランサー』シリーズを手掛けている。アトラスは、コンシューマ事業本部の開発強化と人材の確保を図ることを目的に、実績のあるキャリアソフトをアトラスグループに取り込んだとのこと。同社は今後、コンシューマ事業への優先的な投資を行っていく意向だ。

『グローランサー』シリーズのキャリアソフトが、アトラスの子会社に! - 電撃オンライン

その後はキャリアソフトを名指ししたプレスリリースはありませんが、キャリアソフトでグローランサーシリーズを手掛けていた高田慎二郎氏や葉月陽氏は、女神異聞録デビルサバイバー(2009年発売)の頃にはアトラスの社員となっていることが開発スタッフインタビューから確認できます。

高田慎二郎氏のアトラス入社時期

求人サイトにてアトラスのスタッフがコメントをしており、そこには各人の入社時期も記載されていました。

コンシューマソフトウェア局 クリエイティブ部
第一プロダクション
高田慎二郎氏(2004年2月入社)

株式会社 アトラス | PR | IT/Web業界の求人・採用情報に強い転職サイトGreen(グリーン)

高田慎二郎氏は2004年2月入社とのことで、これは上記のグローランサー5発売前のタイミング(2003年12月18日~2006年8月3日)とも一致します。2004年にキャリアソフトが事実上消滅し、その際に所属がアトラスへ移ったのでしょう。高田慎二郎氏だけが転籍したとも思い難いので、ここではキャリアソフトの主要スタッフは一緒に転籍したと考えます。

株式会社アポロとは?

アポロへと会社が新生のほうに目を向けてみると、株式会社アポロのサイトがInternet Archiveに残っていました。会社概要(2005年4月取得)には組織変更 平成16年8月12日(キャリアソフト株式会社より組織変更)とあります。高田慎二郎氏の所属変更とあわせて考えると、組織変更の半年前に開発スタッフがアトラスへ転籍し、残った一部が株式会社アポロとなったようです。アポロの事業内容については本筋ではないことからここでは割愛しますが、Internet Archive上で確認できるので興味のある方は覗いてみてもよいかもしれません。

時系列で見ると、2007年5月まではアポロのページがあり、この時点までは会社が存在した模様。翌6月にはページが消滅しているのがInternet Archive上で確認できます。

これを踏まえてアトラスの2007年前後のプレスリリース一覧を見ると、2007/06/28 IR 当社100%子会社との合併に関するお知らせがあります。リンク先のPDFはArchive取得されていないため詳細不明ですが、これが株式会社アポロの吸収合併についてのことだったと考えられます。2007年6月にアポロがなくなり、それに伴いサイトも削除されたのでしょう。

結論

キャリアソフトの主要スタッフは2004年にアトラスへ転籍。残ったキャリアソフト株式会社は、同年に株式会社アポロへ社名変更された。その後、アポロは2007年にアトラスに吸収合併された。

キャリアソフトは、2004年にアポロへと会社が新生しつつ、アトラスの子会社化されたは誤りで、2004年以前から(2001年から)キャリアソフトはアトラスの100%子会社であり、また2004年に株式会社アポロとなる前の時点で開発スタッフはアトラスに転籍していた。

ちなみにアトラスがインデックス・ホールディングスに買われたのは2006年の出来事なので、インデックス騒動とキャリアソフトの吸収合併は何も関係ないと思われます。

吸収合併後に出たキャリアソフトの流れを汲むタイトル

キャリアソフトがなくなった後の同スタッフのゲームの例として、高田慎二郎氏がプロデューサーを務めたタイトルを挙げておきます。面白いゲームが多くてオススメしたいところではありますが、どれも旧ハードのもので今プレイするにはちょっと心理的ハードルが高いのが難ではあります。

  • グローランサー5 (2006年/PS2)
  • グローランサー6 (2007年/PS2)
  • 女神異聞録デビルサバイバー (2009年/NDS)
  • グローランサー (2009年/PSP)
  • デビルサバイバー2 (2011年/NDS)
  • グローランサー4 オーバーリローデッド (2011年/PSP)
  • デビルサバイバー オーバークロック (2011年/3DS)
  • デビルサバイバー2 ブレイクレコード (2015年/3DS)
  • 幻影異聞録♯FE (2015年/WiiU)

※アトラスは「タイトルごとの固有チームがあるわけでなく、制作するタイトルに応じて都度適切なチーム編成を行っている」(幻影異聞録♯FE公式サイト STAFF異聞録より)とのことで、必ずしも「高田Pのタイトル=旧キャリアソフトのスタッフが作っている」ではないですが、上記タイトルの多くでラングリッサーの頃からのスタッフである夜刀風魔氏(プランナー、シナリオライター)や葉月陽氏(シナリオライター)、松田智彦氏(プログラマー)、山蔦希有一氏(プログラマー、プランナー)などが参画していて、一定の傾向はあります。

ゲームは人が作るものなので、スタッフ指名買いはある種の必然だと思っています(かつてゲーム開発が小規模だった頃は開発会社=開発チームであり、会社名で指名買いできていましたが、最近はそうも行きませんね)。私は高田Pのチームが作るゲームが好きです。新作が出るのを楽しみにしています。

(追記)幻影異聞録♯FEのSwitch移植版である、幻影異聞録♯FE Encoreが発表されました。WiiUというとても勧めづらいハードからSwitchに移ったことでみんな買いやすくなったと思います。買って。

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