今の時代に8インチ機を出すraytrektabは時流が読めていないのではないか? - 肉うどん

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今の時代に8インチ機を出すraytrektabは時流が読めていないのではないか?


8インチの新型raytrektab RT08WTについて、冷静に考えてみると売れる要素がないのでは、2020年のいま8インチ機を出す意味とは……となってしまいました。というわけで、これが売れるかというと厳しいだろうな~という予測を書いてみました。

※この記事は個人のお気持ちです。

持ち運ばないなら8インチである意味とは?

まずもって全国的に外出が減少せざるを得ない今、8インチのような持ち歩きに特化したサイズの機種にどこまで需要があるのか疑問です。まあ、新型コロナウイルスの流行前から開発していて、今さら止められないからそのまま出した、というのが正直なところだろうと思いますが……。

また、仮に8インチで絵を描くなら今はiPad mini (第5世代) &Apple Pencilなど別の選択肢もあります。

そうした中で、新型raytrektab(8インチ)が選ばれる余地があるか? というと、だいぶ厳しいのではないかと言わざるを得ません。初代raytrektabが出たのは2017年ですが、たった3年で取り巻く環境すべてがあまりにも変わってしまいました。

初代raytrektabは5万円で、学生が夏休みにバイトすれば買える金額というのが売りでした。2017年当時はペンの使えるタブレットで5万円は破格であり、そのおかげもあって「圧倒的な支持を得る革命的な製品」となったんですよね。

2017年4月に発売した“お絵かきタブレット”『raytrektab(8インチモデル)』は、手軽に持ち運べるサイズにもかかわらず、『Wacom feel IT technologies』対応液晶パネルと、 4096階調の筆圧感知ペン採用し、まるで紙に書いているかのような滑らかな描き心地を実現しました。さらに、OSにWindows10を搭載することで、普段のお絵かき環境をそのまま移行できるうえ、 発売当時5万円未満というお手ごろ価格により、お絵かきユーザーの皆様から圧倒的な支持を得る革命的な製品となりました。

『raytrektab -レイトレックタブ-』新製品10インチモデルを発表

しかし、その成功体験から同じことをもう一度やっても、周りの状況が違えば結果も異なるのではないでしょうか。そもそも外出しないし、iPad miniも似たような値段で売ってる、とあっては……。

タブPC需要は今もあるはずだが…

持ち運びの需要が激減しているとはいえ、家の中で自由な体勢で描きたいといったタブPC需要は今も変わらずあるはずです。家にいる時間が長くなったぶん、その需要はむしろ増えているかもしれません。

さて、家用にraytrektabを買おうと思ったときに、8インチと10インチが同価格であったらどっちを選ぶ? といったら、大半の人は10インチを選ぶんじゃないでしょうか。持ち運びを考慮しないなら大きいほうが描きやすいですし。

じゃあ8インチ機は何のためにあるのってなっちゃいませんか。

もちろん8インチしか愛せない熱狂的なユーザーはいるかもしれませんが、その層はそんなに数はいないと思いますよ。私自身、今年になるまでは8インチの新型が欲しいと思っていたんですけど、外出の機会がとんと減った今は別に8インチ要らんな、と宗旨替えしてしまいました。

ラフスケッチ用ならGalaxy Noteでよくない?

raytrek公式は8インチでできることとしてラフスケッチやアイデアスケッチの用途を強く打ち出しているんですが、CLIP STUDIO PAINT for Galaxy が配信されたいま、出先でラフをちょっと描きたいと思ったらGalaxy Noteでよくない? となってしまいました。

Galaxy Noteでは今までも他のアプリで描けましたが、ファイルのやりとりが少し面倒でした。クリスタはクラウド経由で母艦と相互にやりとりできるので楽です。母艦と同じブラシを使うこともできます。

ちなみにGalaxy Note(8以降)のペン性能は現行のraytrektabシリーズと同等です(360Hzのスキャンレート、傾き検知あり、筆圧4096段階)。Galaxy NoteシリーズのSペンの中身はraytrektabシリーズと同じWacom feel IT technologiesであり、raytrektabの高いペン性能はGalaxy Noteシリーズで引き上げられたもののお下がりといってもよいので。

Galaxy Note 8の中古は 楽天市場イオシス などで2~3万円で買えます(2020年12月現在)。CLIP STUDIO PAINT for Galaxyはスマホでは1日1時間までタダで使えるため、出先でラフをちょっと描くだけなら月額課金も必要ありません。

※CLIP STUDIO PAINT for Galaxyをスマホで使う場合、課金しなくても、筆圧感知やファイルの読み書きも含めた全機能が1日1時間だけ使用可能です。残り時間は0時にリセットされます。

さらにGalaxy Noteは、家ではもう少し大きい画面が欲しいなと思ったら Wacom One をつなぐこともできてしまうんですね。(まあWacom Oneがつなげられるのはraytrektabも同じですが)

※Galaxy NoteをWacom Oneに繋いだ場合(DeXモード)でも、CLIP STUDIO PAINT for Galaxyは課金しなくても全機能が1日1時間だけ無料で使用可能です。

※課金する場合は、筆圧感知機能を使うにはスマートフォンプラン以外のプランへの申し込みが必要です。詳しくはセルシスの CLIP STUDIO PAINT 月額利用プラン案内 をご覧ください。

願望

個人的な願望としては、持ち歩ける限界まで大きくしたものを出してほしかったです。具体的には、Wacom MobileStudio Pro 16のベゼルを狭くし、かつ薄く軽くしたような17インチ機あたりを。それならどことも競合しません。

12インチあたりを望む意見も見たことがありますが、仮にraytrektabがもっとでかいのを出すなら、望みうる最大のサイズまで大きくしないと意味が薄いと思います。

現状、ペン付きのタブレットPCは10インチ~12インチのものが多いです。それらを色々使ってきた感想としては、10インチでも12インチでも小さいという観点では変わらないせいか、使い勝手にあまり差がないんですよね。8インチくらいまで小さいとまた話は変わるのですが。

で、持ち歩ける限界がどこかというと、個人的にはそれが17インチだと思っています。A3用紙に近いサイズとなり、大きめのトートバッグにもギリ入れられます。リュックサックもA3が入る物の選択肢は少ないですが、なくはないです。基本的には家での据え置き利用を想定しつつ、いざというときに持ち出せなくもないというサイズですね。

もし新型の8インチ機が売れなかったとしても、raytrektabには懲りずに大型機を出していただきたいものです。

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