Hi-uni DIGITAL for Wacom(と替え芯)が届いたので、先行して発売されている三菱鉛筆9800デジタイザペンと比較しました。
Hi-uni DIGITAL for Wacom は、Wacom Oneの互換ペンとして、ワコム、三菱鉛筆、セルシスの3社コラボで発売されました。実質的に 三菱鉛筆9800デジタイザペン のバリエーション商品のようなものと考えてよいでしょう。
ここでは、既存の鉛筆型のデジタルペンと違いはあるのか、という点を主に見ています。使い勝手などについては三菱鉛筆9800デジタイザペンのレビューも参照ください。
パッケージは全体がマット加工で、ペンの画像部分だけ艶あり、Hi-uni Digitalのロゴは箔押しとなっており、高級感があります。
外観
上が三菱鉛筆9800デジタイザペン、下がHi-uni Digital for Wacomです。
ペン全体の長さはHi-uni Digital for Wacomのほうがやや長いですが、誤差の範疇で、手に持ったときの感触に差はないと思います。キャップの形状も同一です。
どちらも鉛筆の芯部分の代わりにデジタイザペンのモジュールが入っている構造は共通しています。
この写真では木目に違いがあるように見えますが、三菱鉛筆が鉛筆の種類によって木材を変えているといった情報はなかったので、軸素材はどちらもインセンスシダーを使用しているはずです。木目の違いは木を使用していることによる個体差ではないでしょうか。
今、三菱鉛筆ではインセンスシダーという名前の木を使っています。アメリカ・カリフォルニア州のシエラ・ネバダ山中に育つヒノキの一種です。
このインセンスシダーが特徴的なあの鉛筆の香りを演出してくれます。ということで香りを嗅いでみると、Hi-uni Digital for Wacomのほうが匂いを強く感じました。これは三菱鉛筆9800デジタイザペンの購入から時間が経ち、匂いが飛んだせいと思われます。
デジタイザペンは本物の鉛筆のように先を削ることがないので、どうしても木の露出面は次第に古くなります。
ペン先(芯)の差異について
実際に描いてみると2つのペンの感触は明確に異なりますが、これはペン先(芯)が違うだけで、使われているペンモジュール自体は同一と思われます。
Hi-uni Digital for Wacomの芯は標準芯、つまりポリアセタール樹脂(いわゆるプラスチック)です。
それに対し、三菱鉛筆9800デジタイザペンは芯先がエラストマー(いわゆるゴム)で、標準芯と比べて接地面への摩擦が強く、書き味はもっちりした感触があります。
エラストマー芯は表面加工のされていない光沢画面で使うにはよいのですが、Wacom Oneのように反射防止フィルムが貼られた液タブで使う場合、摩擦が強すぎて描きづらく感じることがあり、Hi-uni Digital for Wacomのほうが描きやすいと思いました。
なおワコムはエラストマー芯について、Cintiqなどの液タブでは非推奨としています。そう考えると、Wacom One用のオプションペンとしてリリースされたHi-uni Digital for Wacomに標準芯がセットされているのも納得です。
芯の形状は共通
芯の形状はHi-uni Digital for Wacomと三菱鉛筆9800デジタイザペンは同じで、差し替えて使用することも可能です。書き味の違いは芯素材の違いによるものであり、芯を入れ替えれば感想もそっくりそのまま入れ替わります。
どちらを買うべきか
芯以外の性能差はないため、デザインの好みを抜きにすれば、Hi-uni Digital for Wacomを買うべきだと思います。Hi-uni Digital for Wacomは替え芯3本が付属するぶんだけ単純にお得です。
Hi-uni Digital for Wacomに付属する替え芯です。内箱にテープで固定されていました。
また、三菱鉛筆9800デジタイザペンのエラストマー芯の書き味が気に入ったとしても、エラストマーの替え芯は現在単体販売されていないため、あとからポリアセタール芯に切り替えていく必要が出てきます。それなら最初からポリアセタール芯で使っていくべきではないでしょうか。
(注)ドスパラ通販にて単体販売されている三菱鉛筆9800デジタイザペンの替え芯は、当初はエラストマー芯が販売されていましたが、途中からPOM(ポリアセタール)製に切り替わりました。