Moto ZのキーボードModを製作するクラウドファンディング「Keyboard Mod: A Physical Keyboard For The Moto Z」が頓挫してしまいました。イマドキなスマホに物理QWERTYキーボードを追加するものとして、現代のW-ZERO3だの何だのと期待が寄せられており、私も出資していました。
何が起きたかの経緯の詳しくは IndiegogoのFinal Update (en) に報告されています。過去のUpdatesも参照すると流れがわかるかと思います。
頓挫した経緯と新しいプロジェクトについて
ざっくり言うと、モトローラがModsを売る気がないとか、Moto Modsという規格がニッチすぎて工場の生産単位や小売業者の販売単位に見合わなくて厳しいとか、Modsのコネクタが分厚かったり電波を阻害しないようにプラスチックを使う必要があったりして設計に制限が掛かって困るだとか、Modsという構造のせいで重量バランスが悪いとか、もともとは野良プロジェクトだったところへモトローラが支援すると言い出したくせに向こうから梯子を外された形になったとか、そんなようなことが書かれています。
モトローラの裏切りに近いムーブ以外は、やる前から分かっていたことでは…? という気もしますが、現実は厳しいですね。
ということでキーボードModのプロジェクトは頓挫となり、キーボードModが未発送の方はLivermoriumの新プロジェクト「コードネーム:Q-device」へ自動的に移行するとされています(希望すればPayPalによる返金も可能、返金受付は9月中までとのこと)。Q-deviceはハードウェアキーボードを搭載する新しいデバイスの開発を目標として、キーボードModの準備と調達と並行して進められていたそうです。
Q-deviceの特徴
Keyboard Modと比較して:
- Q-deviceは、Moto Z + キーボードModの組み合わせよりもはるかにスリムです。バッテリーバージョンのキーボードModよりもさらに薄くなっています。
- Q-deviceの重量は、Moto Z + キーボードModの組み合わせよりもはるかに軽くなっています。
- Q-deviceは、現在リリースされているどのMoto Zシリーズよりも高いスペックを備えています。
- Q-deviceには、(キーボードModのように)リアカメラの使用時にキーボードを開かなければならない問題がありません。
- Q-deviceはプラスチック以外のプレミアムな素材を多く使用しています。
- Q-deviceは、トップパーツがボトムよりもはるかに薄くて軽く、入力時はキーボードModよりはるかに良いように感じます。
- Q-deviceは、(キーが)多数分離したレイアウトを使用しています。期待されているQWERTZやScandicなど、他のキーボードのバージョンを簡単にサポートできます。
- Q-deviceは、調達と生産が容易な、一般的なコンポーネントとチップセットを使用します。
- そして最も重要なのは、独立しており、すべて私たちの管理下にあるということです。今年の第4四半期にこのデバイスをリリースすることを目標としており、クラウドファンディングではありません。それは準備ができて生産された時点で購入できることを意味します。
Q-deviceは現在開発・微調整中で、多くの情報がまだ秘密にされています。 数週間後に準備が整ったら、Twitterでより多くの情報を公開します。
Final Update / Keyboard Mod: A Physical Keyboard For The Moto Z | Indiegogo
(Indiegogoでの発表内容を訳しました。)
とのこと。まあ、スペック等は実物の詳細が出るまでは話半分に聞いておいたほうがよさそうですが……。
キーボードModも一部の出資者には届いていました
今回キャンセルとなったキーボードModですが、一部の出資者にはサンプル的に発送されており、実は私のところには届いていました。幸運にも一部発送するリストに含まれていたんですね。
しかしまだ他の人たちには届きそうにない状況だったのと、感想が割とネガティブだったので、本格的に発送が開始されるまで寝かせておいた方がいいかなと思って置いていました。この際なので感想・レビュー記事を出しておくことにします。→Moto Z Keyboard Mod実機レビュー 物理キーボードはいいが、後付けの歪さがどうしても足を引っ張る
欠点の多くは開発者自身から指摘されているとおり、後付けの着脱式ではどうしても重量バランスの悪さが気になるため、スマホ部分を含めた専用設計の端末が出せるならそのほうがよいのは明らかです。