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Galaxy Book 12.0の有機ELディスプレイはHDR対応ではない?

Windows 10はCreators Updateで高ダイナミックレンジ(HDR)機能が追加されましたが、スペック上でHDR10に対応するとされるGalaxy Book 12.0では、この機能を使うことはできませんでした。

HDRの対応状況はDxDiagで確認できる

HDRに対応しているかどうかは Windows 10 の [HDR と高度な色設定] – Windows Help に記載の方法で確認します。

Cortanaから「DxDiag」を呼び出し、DirectX 診断ツールのディスプレイタブを確認すると、内蔵ディスプレイのHDRが無効となっています。

DirectX 診断ツールの「情報をすべて保存」ボタンで出力されるテキストファイルを参照すると、より詳しい情報が確認できます。

色空間 (Display Color Space) が DXGI_COLOR_SPACE_RGB_FULL_G22_NONE_P709 (sRGB) となっており、あくまでsRGBの表示内容を補正して派手に見せているだけのようです。

現在のディスプレイ接続で HDR が有効になっており HDR信号があるかどうかを確認します。
さきほど保存したテキスト ファイルを開き、[Display Color Space] (ディスプレイ色空間) の値を調べます。

  1. 値が DXGI_COLOR_SPACE_RGB_FULL_G2084_NONE_P2020 の場合は、HDR10 に対応しており高度な色が表示される接続であることを示します。
  2. 値が DXGI_COLOR_SPACE_RGB_FULL_G22_NONE_P709 の場合は、色空間が sRGB であり、高度な色に対応していないことを示します。

Windows 10 の [HDR と高度な色設定] – Windows Help

ただ、英のGalaxy Book公式サイトではHDRビデオで真実の色 (true-to-life colours) を表示できるとしているので、何かしらの設定方法があるのかもしれません。

Whether you’re working on a presentation or watching that new series, all your content is brought to life on screen, brilliantly. Choose either a bright and crisp 12″ sAMOLED display or 10.6″ FHD TFT display. And on the Galaxy Book 12″ you can fully immerse yourself in HDR videos with stunning detail and true-to-life colours.

Samsung Galaxy Book | Windows Tablet with S Pen | Samsung UK

AMOLED設定で色味を変更可能だがいずれのモードもHDRに対応しない

スタートメニューからBook設定を呼び出すと、AMOLEDの設定も変更可能です。Galaxy Book 12.0のAMOLEDディスプレイ設定はスマホのGalaxy同様の4パターンで、「表示を最適化」、「AMOLEDシネマ」、「AMOLEDフォト」、「標準」の4種類から選ぶことができます。設定に応じて画面の表示色が変化します。

デフォルトは「表示を最適化」で、「標準」に設定すると無補正の表示が得られます。スマホではAMOLEDシネマモードがDCI-P3の色域をサポートするとされていますが、Galaxy Book 12.0ではいずれのモードに設定した場合でもWindows 10のHDR機能には対応しませんでした。

ちなみに Galaxy Note7のレポ によると、この4つはざっくり以下のような特徴があるようです(スマホのものと同等に考えてよいかは判断に迷うところですが色の傾向としては似通っています)。

参考として、一般的なPCのディスプレイはsRGB、iPhoneは7からDCI-P3準拠となっています。

色温度的には、拡張ディスプレイとAMOLEDシネマは青め、AMOLEDフォトと標準は赤めに寄っています。色の違いは実物を見れば早いのですが、写真ではカメラや表示するディスプレイの性能に寄ってしまうのでここでは省略します。

海外フォーラムの情報

適当にググってみたら 海外フォーラム でも指摘されており、問題の内容は同様なので割愛しますが、複数の人がサムスンに問い合わせても返答がないと訴えています。インテルの最新グラフィックドライバを強制インストールしても有効にならないようです。

ただし、colormunki spectroとi1display proで測定した結果、DCI-P3とAdobe RGBのいずれでも95%以上を満たし、ディスプレイ自体は広色域パネルであることも指摘されています。

今後、ドライバのアップデートで対応される可能性もなくはないですが、問い合わせに返答がないところを見ると対応されるとしても次期モデルで、といったことになりそうですね。

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