シューティングゲーム(STG)が衰退したとか滅んだとかそういう話は時折出てきますが、グラブルVSのとばっちりで「格ゲーとSTGは衰退した」とか言われてるのを見たときはさすがにどうかと思いました。
本当にSTGが滅んだのか、何をもって滅んだと言っているのかはいったん置いといて、STGは今は音ゲーに派生して広く一般に普及しているのではないか、むしろ今が全盛期ではないかという仮説です。
太鼓の達人とゼビウスは要素だけ抜き出すと激似
例として、太鼓の達人とゼビウスには以下の共通点があります。
- 一定方向に一定速度でスクロールする
- 攻撃方法が2種類ある
ゼビウスの自機の位置を固定して射程も短くし、敵が弾を撃ってこないようにすると、おおむね太鼓の達人になります。ゼビウスの対空用のザッパーが「ドン」、対地用のブラスターが「カッ」に相当すると考えてみてください。
太鼓の達人は音ゲーの中でも最も単純化された形のひとつです。他の音ゲーはノーツが降ってくるラインとそれに対応した叩くキーが複数あるのが当たり前ですが、これは自機を操作する代わりに、より直感的な操作としてプレイヤー自身が動くようになったものと考えられます。
STGが抱えていた問題を解決したら音ゲーになった?
STGには(主に一般人にとって)以下の問題点がありました。
- 敵の出現・攻撃パターンが覚えられない
- 敵の弾を避けられなくてすぐ死ぬ
- 動き回る敵に攻撃が当てられない
- うまい人は1回のゲームプレイが長い
- ゲーセンだと一人で専有される
- 店側にとっては時間単位の収益が下がる問題もある
音ゲーはこれらの問題を解決すべく「自機を動かして敵の攻撃を避けつつ」「敵を撃つときには射線軸を細かく合わせる」といった要素を排除し、敵(=ノーツ)を撃ち落とすことに特化したシューティングゲームであると言えるのではないでしょうか。
また、音ゲーは音楽に合わせて動くことで「うまい人でも数分で必ず終わる」「パターンが覚えやすい」といった利点も付与されています。
今はゲーセンでもスマホでも音ゲーはたくさん出ていてプレイヤーの母数も多いですし、音ゲー=STGの図式に立てば、現代にはSTGが広く一般に普及していると言えます。もはや滅ぶどころの話ではないですね。
余談ですが、SwitchやPS4、Steamなどでは2Dシューティングが今もたくさん出ているので、本流のSTGも別に滅んではいないと思います。