Amazonマーケットプレイスで高騰している商品を指して「この商品はこの値段で売れる」、「この商品にはこれだけの需要があるからこんな値段になる」、と主張する人がたまにいますが、これは全然正しくないので否定しておきます。
マーケットプレイスは売れ残り市
前提として、マーケットプレイスには各出品者の在庫品しか並びません。たまに在庫なしで売れてから在庫確保に走る形で出品している輩もいますが規約違反です。
つまり、閲覧時点においてはすべてが売れ残りといっても過言ではありません。馬鹿みたいな値段をつけて売りに出してみても、売れてないからまだそこにあります。その価格で売れるなら、もう売れてリストから無くなっているはずですからね。
もちろん、過去には同じ価格や、より高い価格で売れた実績があるかもしれません。今の価格でも、誰かの眼鏡にかなえばこれから売れてしまうかもしれません。しかしそれは現在の出品リストには関係のない話です。現在の需要の証明にはなりません。
転売ヤーがレア物だからと高値を付けているのは、基本的にはそれで騙せればラッキーくらいの考えでしょう。それで売れなければ、他の出品者とのせめぎ合いで価格を調整して、徐々に下げていく。いわゆるダッチ・オークションですね。
ダッチ・オークション (Dutch auction)
通常のオークションとは逆に、価格が順番に下がっていく。売り手が設定する最高価格から順番に価格を下げていき、買い手は適当なところで入札し、その時点の価格で落札が行われる。取引のスピードが高速化できるので、様々な市場で採用されている。また、バナナの叩き売りもこの一種である。
転売ヤーによる需要の水増しについて
たとえば欲しい人が100人いたとして、本来であれば100個作れば全員に行き渡りますが、ここに転売ヤーが50人来たらどうなるでしょうか。
転売ヤー50人が横入りすることで、欲しい人のうちの50人に行き渡らなくなります。そして買えなかった人に対して、転売ヤーが価格を吊り上げて、欲しければ高値で買えと言っているんですね。勝手に関所を作っている山賊に他なりません。
「この値段でも売れない」はアリ
Amazonマーケットプレイスで高騰している商品の価格を見て「この値段で売れる」と言うのは誤りですが、値下げしても残っている商品の価格を見て「この値段でも売れない」と言うのは正しいです。消費者も馬鹿ではないので、なんでも安くすれば買うというものではないです。安くても要らない物は要りません。
余談ですが、ちょっと前に予約して買ったゲームが発売後すぐにめちゃくちゃ値崩れして悲しみに包まれました。でもカスタマーレビューで言われてる問題点がすべて納得できるので仕方ないところです。
コンシューマーゲームは最初に全額支払わないと中身が見られないので、発売後に蓋を開けてみたらクソというパターンがままありますね。そういうときはこのネットの時代では悪評があっという間に出回り、「この値段でも売れない」状態となってしまいます。悪評が立っているからといって個々人が楽しめないとは限らないので、場合によってはお買い得となることもありますが……。